2015年12月

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どのような受賞者が出るのか全世界の注目を集めていると言っていい。
ある程度、候補者が事前に発表され、
イギリスのブックメーカー (bookmaker=賭屋)がオッズ(倍率) を決定し、
その率で賭けが行なわれることになる。
もちろん、オッズが低いほど可能性が高いことになる。
そのまま可能性の高い人物が受賞するとは限らない。
村上春樹などは、去年も今年も1位にはなっている。

一方、それに先駆けて発表される「イグノーベル賞(Ig Nobel Prize)」は、
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞。
ハーバード大学の中で同好者が勝手にやっているものだが次第に注目度が高くなってきている。
この賞は、揶揄(やゆ)される立場での受賞者もいるが、
バカバカしいことを本気で研究することに対して与えられる。それがこの賞の持ち味。
今年の受賞者は、
「床に置かれたバナナの皮を人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究」
で、日本人が受賞している。
毎年のように「バカバカしい研究で」日本人活腦素が受賞している。
イグノーベル賞には賞金出ない。そして、渡航費も自前でいくことになる。

内田百閒が、かつての「帝大新聞」紙上の対談で、
「今の学生は、こういう学問をすると『どういう役に立つ』かということばかり考えているが、
そもそも役に立つ教育をするということが、もはや堕落の一歩じゃないか」

「役に立たないことを教えることが大学教育の真諦(しんてい)。
社会に出て役に立たぬことを学校で講義するところに教育の意味がある」
出ました、”百閒節(ぶし)”という感じの発言窗口式冷氣機比較
察すれば、バカバカしい研究こそ、最高の研究というところだろうか。

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声の抑揚だけで、人を泣かせたり笑わせたりできた人物だった。
いわゆる「活動写真」の弁士だった頃、
映し出される映画の状況を把握し、
その感情をみなぎらせることを心がけたと願景村 洗腦いう。
すなわち、映画に対する過不足のない解釈が、彼のやるべき第一歩だったようだ。

ピアニストにもそういったところがある。
コンクールなどでも、弾く曲をどう解釈するのが問われる。
五線譜に書かれた曲は同じでも、
解釈ひとつで別の曲かと思うほどに違ってくる。
その思いを乗せて演奏することがポイントでもある。

演劇の世界にも同じようなところがある。
宇野重吉とともに劇団民藝を立ち上げ、共同で代表となった滝沢修は、
名優として知られるが、
シェイクスピア『ヴェニスの商人』の
ユダヤ人金貸しのシャイロック役を演じるとき、
前もって演出者に、喜劇的に演じるのか、悲劇的に演じるのかを問い、
そして、
この芝居の(ヤマの部分である) 法廷の場で演じられる台詞(せりふ)を、
七通りに使い分けて聴かせたと願景村 洗腦いう。

シャイロックを悲劇的に演じれば、
その他の人物の役回りも、それに合わせて替えなければならない。
型を破って喜劇的に表現するのも面白い。
そういったところが演出家の腕の見せ所となる。

年下の演出家に対してこんな風に
前もって実演して見せるという心配りをしていた。
舞台で名演技を繰り広げていた滝沢修の、
あの禿げた頭が、今も懐かしい。

『嫉妬』という漢字には、ご丁寧にも女偏が熟語の両方に施されている。
そのイメージからか、
女性の専売特許のように見なすところがある。
実際、女の嫉妬を描いたものには、熾烈なものがある。
「大奥」などのドラマもつまるところ、そんな女の闘いでもある。
ところが、この「嫉妬心」は、女性ばかりが強いと言い難いところがある。

19世紀のフランスの女流作家ジョルジュ・サンドは、
「男装の麗人」として知られている。
常に男装で葉巻も吹かすといういでたち。
恋多き女性として浮き名を流した人物。
その恋の相手は、
『カルメン』の作者で、多くの女性を虜にした色男として有名なメリメや、
小説家として有名だったミュッセ。
そして、音楽家のショパンなど。
いずれも、自由に振る舞うサンドに対して、
嫉妬に身を焦がしたのは、これらの男性の方だった。

19世紀の話ではなく、
身近なところにも、男の強よ~い嫉妬が感じられるニュースがあった。
今日、安倍首相がチリのサンチアゴで、
内閣改造と自民党役員人事に関して「女性の積極的な登用に意欲を示した」
というニュースが、日本を駆け巡った。
それを受けて、
次期閣僚のポストを狙う男性待機組50人ほどの男性が
「逆差別だ!」と声をあげたそうだ。
そのホンネを言えば、
登用されるのが女性の率が高くなることに対する男の嫉妬。
人気のアクション映画などには、よく「脱出」や「逃亡」という名がつけられている。
命からがら逃れたりするハラハラ感にたまらない魅力を感じる。
こういった映画がヒットするのも、
人の中には脱出願望といったものがあるせいのようだ。

アメリカで、19世紀後半から20世紀の初頭にかけて活躍した
「エスケープ・アーティスト」
この人物、全身縛られ、手錠までされた状態で
閉じ込められた箱から脱出をはかったり、
生き埋め状態から生還するといった離れ業をおこなった人物。

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